■製鏡の仕組み
    • ガラス表面に銀膜を形成する原理は、硝酸銀のアルカリ性水溶液に各種の還元剤を加え、板ガラスの表面に微細な銀粒子を沈殿固着させるというものです(銀鏡反応)。
      この沈殿の粒子の大きさが極めて重大で、もし大きな粒子が沈殿して銀膜を形成させると、鏡面にならず灰白色の銀膜になってしまいます。銀粒子の沈殿が極めて微細で、しかも緻密な状態で作られると反射率の高い鏡面に仕上がります。

      銀膜が薄い場合は、透過光線で見ると暗紫色または暗褐色に見えます。ガラス面に対する付着力は銀粒子が微小なほど強く、また銀引きされる時のガラスの温度が高いほどガラス面に最初に沈殿する銀粒子の付着力は強くなります。

      ガラスの鍍銀は、鍍銀液中で帯電しているガラス面と鍍銀液中に還元析出した銀微粒子との引力によって行われるものであって、単に銀微粒子がガラス表面 に沈殿沈積して成膜するものではありません。

  • ■銀鏡反応

    還元性をもつ化合物によりアンモニア性硝酸銀水溶液が還元され、銀が試験管のガラス壁に 付着します。これを銀鏡反応といいます。

    硝酸銀水溶液の銀鏡反応   

    ●反応1…硝酸銀水溶液にアンモニア水を加えると酸化銀の褐色の沈殿を生じる

    2Ag++2OH− → Ag2O+H2O
    酸化銀

    ●反応2…さらにアンモニア水を沈殿が消えるまで加え続ける

    2Ag2O+4NH3+H2O → 2[Ag(NH3)2]++2OH−
    酸化銀      ジアンミン銀(T)イオン

    ●反応3…アンモニア性硝酸銀水溶液に還元液を加えると銀が還元され、ガラス壁に付着する

    RCHO+2[Ag(NH3)2]+3OH− → RCOO−+2Ag↓+4NH3+2H2O
    還元剤にはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブドウ糖などが用いられます。